キャラクター

八千代サイトの中を、こんなおちびさんがうろうろしています。この子はパレス松洲のキャラクター、八千代(やちよ)です。

八千代は、セッコクの精です。

セッコク(石斛)は、松島の町花です。和蘭の一種で、5月下旬から6月の初旬にかけて、瑞巌寺の杉の木の上で、鞠のように丸くなって咲きます。中部以南の暖かい地方の植物ですので、松島のセッコクは北限近く、ということになります。
松島のセッコクはほかの地域のものよりも小さく、可憐に咲きます。セッコクはさまざまな色の花を咲かせますが、松島のセッコクは白にほんのりとしたピンクを重ねた、愛らしい色合いが特徴です。

その茎は古来から生薬として珍重され、仙台藩主・陸奥守伊達家への献上品としても用いられてきました。

「松島の町の花の精霊なの? それってパレス松洲だけのものじゃないよね?」

そのとおりです。
でも、ずいぶん昔に(坂上田村麻呂がいまの五大堂の場所に毘沙門堂を建てた頃より、もっと昔みたいです)最初に目覚めたのが、いまの高城川の河口付近だったらしいんです。パレス松洲が建っているところの、すぐ近く。
なので自分の家みたいに懐かしくて、パレス松洲のまわりにいるのがお気に入り、ってことみたいです。

セッコクは毎年花を咲かせます。なので八千代は長い間松島にいるのに、ずっと同じ姿のまんまです。毎年リセットされる、ということのようです(精神年齢も変わらないみたいです)。
着るものなんかは、やっぱり流行が気になるみたいですけどね。でも日本の精霊なので、いくらかはそれっぽいファッションでいないと、上司に怒られる、というのもあるみたいです。

そう、日本の精霊なので、上司に当たる神様がいます。八千代は花の精霊なので、松島周辺でもいくつかの神社で祀られている木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の一族です。
ただ、木花咲耶姫は忙しくて、松島まではそんなに年に何度も来ることはできません(たいてい富士山のあたりにいます)。なので、八千代は松島でけっこう気楽に暮らしています。

 八千代

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
ANGIEを著作者とするこの作品は クリエイティブ・コモンズの 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

八千代

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
ANGIEを著作者とするこの作品は クリエイティブ・コモンズの 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

長年松島で暮らしていますが、よく言えば前向きな(いいかえると細かいことはあんまり気にしない)性格もあって、歴史上のこまごまとしたことなんかは聞かれてもあんまりよく覚えていない、みたいなところはあるみたいです。でも、大きな出来事はちゃんと記憶しています。多賀城に陸奥国府ができて奈良からお役人が来た時とか、京都からお坊さんが来て瑞巌寺を建てた時とか。
伊達政宗公が瑞巌寺に手ずから臥竜梅を植えた時や、円通院の住職がバラ園を作ったときなんかは、ずいぶんうれしかったみたいですよ。

2011年の災害も、ちゃんと覚えています。八千代も、たくさん悲しい思いをしました。
でも、八千代はいまから400年前にも、1,100年前にも、同じような大きな地震と津波があったことを覚えています。松島のひとびとがいつもそこから立ち上がってきたことも、日本中のひとびとが変わらず松島を愛し続けてくれたことも。

八千代セッコクが乱獲による絶滅の危機に陥った時も、松島のひとたちはバイオテクノロジーで危機を救ってくれました。2011年の地震で松の枝から落っこちちゃったセッコクは、職人さんたちがもとの場所に戻してくれました。八千代は、松島のひとたちが大好きです。そして、松島を訪れてくれるひとたちも、大好きです。

松島は千年以上のあいだ、日本人の愛するこころの風景として、訪れる多くのひとたちを迎え入れ、愛されてきました。八千代もまた、これからもさまざまなひとびとがこの美しい土地を訪れて、癒され、楽しんでくれることを心待ちにしています。

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