こちらでは、松島のさまざまなお店を紹介してきました。それぞれみんなユニークで、松島にこれほど個性的なお店がそろっていることに、取材を始めて改めて驚いたほどです。
今回お伺いしたCafe & Bar LYNCH(リンチ)も、そんなお店のひとつです。
一般的に有名な松島の観光スポットは、おおむねパレス松洲から見て南東の方向にあります(眺望スポットなんかはまた別ですが)。
今回はそちらとはちょうど逆方向、北西にあたる磯崎漁港の方向に向かいます。
写真は磯崎漁港からパレス松洲の方向を撮影したものですが、残念ながら建物は見えません。写真の中央あたりを福浦橋が横切っています(これもよくわかりませんが)。
眺望を楽しんだり、歴史的建造物を訪れたり、文化財や美術品を鑑賞したり。そういったときにあまり足を向ける方角ではないかも知れません。
ただ、松島のこちらの方面ではこの地域に産するゆたかな農作物・水産物を入手することができます。
写真は農産物・水産物の直売所、FF磯崎さん。パレス松洲で提供するお食事にも、こちらで販売されている食材を使用しています。
もう少し道なりに進むと、さらに水産物を直売するお店が見えてきます。こちらの写真は杉原功商店さんと赤間水産さん。
牡蠣やほや、つぶ貝やアサリ、ウニ。この地域ならではの新鮮な魚介類を、この地域では購入することができます。おみやげとしても好適です。
さらにこちらではその場で食材を焼いて味わう「浜焼き」を楽しむことができます。いちばんシンプルで新鮮な賞味方法です。
お店を横目に、さらに歩いていきます。ガソリンスタンドのある三叉路をまっすぐ抜けると、あと少し。
向かって右側に見えるビルの1階、真っ赤な外装のお店がカフェ LYNCHになります。パレス松洲からは徒歩で15分と少しくらいでしょうか(途中で寄り道して浜焼きなんかを楽しんだりしていると、もう少し時間はかかりますね)。
店名は、店主の佐々木しのぶさんが愛してやまないデヴィッド・リンチから。独自の表現で、世界中に熱狂的なファンを持つ映像作家です。
リンチの世界観をコンセプトのひとつとした店内には、上質なアンティークを中心とした調度品が配置されて、映画のセットを思わせる独特の雰囲気を生んでいます。
シネマ・カフェらしく、店内には多くの映画のパンフレットがそろっています。
佐々木さんは松島の方ではありませんが、いくつかのご縁でこちらにお店を開くこととなりました。理由のひとつは、これらのファニチャーを生かせる物件がこの場所にあったこと。
佐々木さんのご出身は象潟(きさかた)のある秋田県にかほ市です。象潟と松島は紅蓮尼伝説を介して、夫婦町として自治体同士折々に交流を持つ間柄なので、これもご縁のひとつですね。
奥の部屋へと続く入口では、ワニさんがお出迎え。
こうした上質のインテリアが醸し出す非日常の空気感を提供したい、と佐々木さん。
お店のロケーションがデヴィッド・リンチの代表的なTVシリーズ、ツイン・ピークスなどに登場するアメリカ郊外のカフェやダイナーを連想させることも、佐々木さんにとっては重要なポイントのひとつとのことです。
奥のお部屋では、チェスターフィールドのレザーソファでゆったりと過ごせます。
こちらのお店はランチタイムから夜22:00まで通しで営業されています。お茶だけではなくお食事やお酒も、営業時間を通じてオーダー可能です。カクテルはバーでの、お料理はイタリアンのお店での経験をベースにした本格派。
実際、地元のお客さんたちはそれぞれ思い思いの時間を過ごしています。松島以外の地域から訪ねてくるカフェ好きの方も多いとか。
こちらの写真は「赤い部屋」を再現したお手洗い。
カウンターでコーヒー(400円)をいただきます。
アンティークのファイヤーキング、キンバリー・モデルの赤いマグカップで、ハーシーズのキスチョコを添えてサーブされました。これも世界観の一環ですね。
コーヒーは鮮度が第一、というのがこちらの方針。豆の仕入れ元は松島町内のロースターだったり、仙台のお気に入りの焙煎業者だったり、その都度でさまざまな味わいが楽しめるそうです。
おすすめメニュー
ここから掲載するメニューは、12:00~15:00までのランチタイムにはサラダ・コーヒー付きで800円(税込み)で提供されています。もちろんランチタイム以外でも、営業時間内なら単品で注文可能。
12:00からアルコールメニューもオーダーできるので、ビールやカクテルに合わせてお昼から、みたいなこともできます。
チリソースとナンプラー、オリジナルソースで味付けしたタイ風チャーハン、ナシゴレン(780円・税抜き)。
甘辛ごはんに、目玉焼きを絡めてどうぞ。
Photo by courtesy of Cafe & Bar LYNCH. All rights reserved.
Photo by courtesy of Cafe & Bar LYNCH. All rights reserved.
パレス松洲の某スタッフも大好きなオムライス(780円・税抜き)。
半熟とろとろのたまごで包まれ、オリジナルのデミグラスソースとケチャップで仕上げた、昔ながらのスタイルです。
手づくり生地にマヨソース、そして半熟卵のマヨタマピザ(780円・税抜き)。
いただく前に、仕上げにお醤油をかけて。
Photo by courtesy of Cafe & Bar LYNCH. All rights reserved.
佐々木さんは松島の魅力に、「人、モノ、コトの調和」を挙げてくれました。
はっきりしたコンセプトを打ち出したお店ではありますが、同時に、訪れるひとそれぞれの自由な使い方を受け入れてくれるお店でもあります。
観光の合間にお時間をつくっていただいて、この「松島の異世界」を訪問するのも、松島のひとつの楽しみ方かと思います。
ご連絡先
こんなお店も、松島にはあるんだ。
松島にきて、いろんな楽しみ方を探してみて!