松島に名物は数多くあります。食材に限っても、夏が旬のあなごや春先のあさりなど、その季節ならではのおいしいものがシーズンごとに登場し、訪れる方々に喜んでいただいています。パレス松洲でも、旬を大事にしたお食事をお客さまに提供しています。
折々の旬の食材でも、とりわけ牡蠣(かき)は知られています。
松島近隣で養殖されているマガキの旬は、秋から春先にかけて。「Rのつく月」といわれるとおりで、旬のあいだはパレス松洲でもお客さまに牡蠣をお召し上がりいただいています。ただ、それ以外の季節にも、松島にお越しになって「牡蠣が食べたい」と思われる方がいらっしゃるのも確かです。
さまざまな工夫で、そのような観光客の方々に1年を通して牡蠣を提供しているお店も松島にはあります。今回お伺いしたお店も、そのなかのひとつです。
やはり雨だと観光にお越しいただいても、ちょっと散策にはおっくうになりがちですよね。
でも、名刹は雨のなかでも素敵なんです。こちらの写真は石庭「雲外天地の庭」です。
柔らかく降り注ぐ光の下で、木々の緑がいきいきと映えています。こういった風情を感じられるのも、雨の日ならではです。
パレス松洲をご利用のお客さまは、円通院まで車でお送りいたしますよ。
こちらは「遠州の庭」。
小堀遠江守政一は「綺麗寂び」と呼ばれる茶道・遠州流の始祖として知られ、作庭や茶室の造営でも有名な大名茶人です。
こちらの庭は、その小堀遠州が江戸の伊達藩邸にしつらえたものを移設したと伝えられています。
雨粒が池の水面に落ちて、波紋が広がっています。
松島にお越しの際にたまたま雨が降っていても、観光客のみなさまにはできればがっかりしないでほしい、みたいに思います。
パレス松洲の客室から見る雨の松島も思い出に残していただける、思いのほか素敵な眺めですよ。
円通院を出ます。
向かって右側に歩いて行って、天麟院前の曲がり角を道なりに左へ。旬海へは徒歩1分ほどで到着します。
雨はいくぶん弱まってきました。寺町小路の石畳を前にした、風情のある一角です。お店の入口に「かき 海鮮料理」ののぼりが立てられています。
カウンターに座らせていただきます。
出していただいたのは、お店の名前を冠した「旬海ご膳」(2,600円・税込)。
お刺身のほかに牡蠣フライ、焼き牡蠣、牡蠣の南蛮漬け。牡蠣がお好きな方にはたまらない献立です。
でも、取材日は夏。松島の牡蠣はまだシーズンではありません。ここのところを、木元伸治料理長に伺ってみました。
松島がひときわ有名ですが、宮城県内にはほかにも牡蠣の養殖を行っている地域があります。それらの地域では異なった養殖方法によって、本来の牡蠣の旬以外にも出荷を可能にしている場合があります。
こちらで夏場に提供しているのは、石巻や気仙沼、女川といった、県内でも松島より北の沿岸部で養殖されたもの。宮城県・三陸産の、冷凍ではないフレッシュな牡蠣には変わりがありません。
ただ、味わいは異なります。この日いただいた牡蠣は松島産のまろやかでクリーミーな味とは違い、より磯の風味が強い、はっきりした味わいでした。
木元料理長によると、これらの牡蠣は松島の牡蠣にくらべてより深い海、またはより外洋で養殖されているとのこと。生育環境の違いが、味わいの違いとなって表れているのでしょう。
お召し上がりになる方それぞれの好みもありますが、季節ごとの食べ比べ、という楽しみ方もあるかも知れませんね。
おすすめメニュー
Photo by courtesy of 旬海. All rights reserved.
煮あなご丼(1,900円・税込)
松島の夏の味覚・穴子を使った煮あなご丼は、こちらでは6月頃から9月の末頃までの提供。
とろける舌触りの蒸しあがりが自慢、とのことでした。
海鮮丼(2,200円・税込)
Photo by courtesy of 旬海. All rights reserved.
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