【2024年版】松島の梅

軒端の梅

日差しがあたたかくても、風は冷たい。春の陽気かと思ったら、雪が降りはじめる。2024年3月初旬の松島は、そんな日が続いています。
それでも、春はすこしづつ近づいているようです。年間を通してさまざまな花が咲く松島ですが、春を告げるのは、やっぱり梅の花です。

松島の梅

数は多くはありませんが、松島には由縁のある梅の木がいくつかあります。

比翼塚の「軒端の梅」

比翼塚

円通院の向かいにある、比翼塚。
ここには松島に生まれた女性と、秋田県にかほ市象潟町に生まれた男性のあいだの、鎌倉時代末期の悲恋伝説が刻まれた石碑が建てられています。

地図

石碑のまわりに植えられている数本の紅白の梅は、伝説にちなんで「軒端のきばの梅」と呼ばれています。
この伝説は、700年近い歴史を刻む銘菓「松島こうれん」(パレス松洲のおみやげ処「かもめ屋」でもお求めいただけます)の由緒ともなっています。

松島こうれん 紅蓮屋

軒端の梅

軒端の梅(紅梅)

紅梅のうちの1本は、取材日の3月上旬にはもうだいぶ開花が進んでいました。

記事のトップに掲げた画像は昨年撮影した、この紅梅の画像です。
たまたまみつばちがとまった瞬間が撮影できました。

比翼塚の敷地の入口左側に植えられた白梅です。
こちらはまだこれから、というタイミングですが、もう咲いている清楚な白い花がいくつかありました。

軒端の梅の姿は通りすがりにでもご覧いただけますので、ぜひお立ち寄りを。

軒端の梅(白梅)

令和6年3月15日追記

軒端の梅が、見ごろを迎えていました。

軒端の梅(令和6年3月15日)

軒端の梅(令和6年3月15日)

瑞巌寺の「臥龍梅」

臥龍梅(紅梅)

瑞巌寺の中門をくぐると、本堂を正面にして門の右側に紅梅、左側に白梅が植えられています。これが「りゅうばい」です。
瑞巌寺の臥龍梅は、宮城県の天然記念物に指定されています

臥龍梅(瑞巌寺ウェブサイト)

枝の伸ばし方が地を這う龍の姿を思わせる、というのがその名の由来です。

紅梅は取材日時点ではまだほとんど花開いてはいませんでしたが、かわいらしい紅いつぼみをいくつもつけていました。まもなく見ごろを迎えそうです。

臥龍梅(紅梅)

臥龍梅(白梅)

本堂に向かって右側の白梅は、まだまだつぼみが固い様子でした。松島へお越しのご予定がおありの方、これから参拝を計画しても、開花に間に合いそうですよ。

と思ったらひと枝だけ、フライングして花を咲かせていました。

1593年の文禄の役の際に、朝鮮に渡った伊達政宗が現地で目にし、気に入って部下に持ち帰らせた梅の木が臥龍梅です。政宗公の隠居後の居城があった仙台市若林区古城2丁目や、仙台市西公園(こちらは明治時代の株分けによるもの)にも現存しています。

ただしそのなかで、政宗公が手づから植えたと伝わるのは、瑞巌寺のこの1対だけです。

臥龍梅(白梅)

令和6年3月22日追記

紅梅は見ごろを迎えつつあります。
白梅は、これから旅程を組んでも間に合いそう。

臥龍梅(紅梅)

臥龍梅(白梅)

円通院

円通院の白梅

初夏のバラ園をはじめとして、折々に色彩豊かな草花の姿が楽しめる円通院にも、梅は植えられています。
山門右側には、背の高い白梅の堂々とした姿が見られます。

円通院

山門をくぐって石庭を左手に進み、心字の池と本堂のあいだを歩いていくと、バラ園「白華園西洋の庭」の手前、右側に紅梅の木が植えられています。

こちらもつぼみはふくらんでいましたが、開花はこれから、というところでした。

円通院の紅梅

令和6年3月15日追記

まもなく満開を迎えそうです。

円通院境内の梅(令和6年3月15日)

円通院境内の梅(令和6年3月15日)

折々の花々

季節ごとに、松島では多彩に咲く花々を楽しむことができます。

3月末頃より街のあちこちで咲いている桜をご覧いただけますが(パレス松洲のお庭にも数本あります)、松島で桜の名所といえば西行戻しの松公園です。
咲き誇る桜越しに島々を望む、ゴージャスな眺望を楽しめます。

地図

石斛(セッコク)

観瀾亭のセッコク

松島町の町花であるセッコクは、5月下旬から6月上旬にかけて、瑞巌寺や円通院、観瀾亭などで見られます(写真は観瀾亭のセッコクです)。
パレス松洲のキャラクター、八千代のモチーフでもあります。

石斛(セッコク)と松島

円通院のバラ

円通院の薔薇

6月はじめから7月にかけては、円通院の薔薇園のバラが見ごろになります。
円通院は伊達政宗の嫡孫・光宗公の菩提寺ですが、その霊廟「三慧殿」の厨子にバラが描かれていることにちなんで、この西洋風の庭園がつくられました。

【2023年】円通院のバラ

瑞巌寺 放生池の蓮

瑞巌寺の看門前を右に折れてそのまま進むと、右手に蓮池があります。これは瑞巌寺の放生池で、6月頃に蓮が花を咲かせます。
池の中央にある小島には弁財天の祠があって、生えているカエデは秋にはみごとに紅葉します。

地図

椿

瑞巌寺の椿の生垣

寒い季節には、そこここで咲いている椿を見ることができます。写真は瑞巌寺看門前の、椿の生垣です。
松島直秀こけしの図柄は、この椿をモティーフとしています。

【2021再取材】松島直秀こけし(二八屋物産店)


梅は桜と違って、その花を1か月弱のあいだ、楽しむことができます。
これから松島へお越しのみなさま、ぜひその姿を愛でに、お立ち寄りください。

どのお花もきれいだよ!
(でも、やちよはセッコクびいきだよ、もちろん)

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