多くの史跡や名刹、ゆたかな三陸の味覚。観光地としての松島の魅力は数多くありますが、やはり筆頭にあげられるのは松尾芭蕉をして「おくのほそ道」のなかで「扶桑一の好風(日本一よい景色)」といわしめた絶景かと思います。
松島の風景は、季節によっても、ごらんいただく場所によってもそれぞれ異なった表情を見せてくれます。
パレス松洲の全客室からごらんいただける眺めはお客さまに胸を張れるすばらしさですし、松島まち歩きのページでは眺望をお楽しみいただけるお店をいくつかご紹介しています。
そのなかでも高所から松島を一望していただける「松島四大観」は、古来よりうたわれる眺望スポットです。麗観・富山(松島町)、偉観・多聞山(七ヶ浜町)、幽観・扇谷(松島町)と並んで、今回訪れた大高森(東松島市)は「壮観」と呼ばれ、その眺めは四大観随一といわれることもあります。
これら四大観はいずれも標高の高い場所になりますので、訪れていただくにあたっては交通手段等をお考えいただく必要があります。なかでも奥松島と呼ばれる地域に位置する大高森は、お車などで松島へお越しの方以外には若干訪問するのに敷居の高い場所でした。
周遊バス「大高森夕焼け号」概要
今年2017年、岩手県北バスによって仙台空港 ~ 松島 ~ 大高森間の周遊バスが7月21日(金)から9月30日(土)のあいだの土・日・祝日に運行されることとなりました(8月10日から25日までは毎日運行)。こちらのバスをご利用になることで、四大観・壮観がより身近になります。
経路
大高森行きのバスは仙台空港発になります。復路は松島海岸駅までとなります。
仙台空港 ― うみの杜水族館 ― 三井アウトレットパーク仙台港 ― 松島海岸 ― 松島観光物産館 ― 文化観光交流館前 ― 奥松島(震災復興伝承館) ― 奥松島(大高森)
時刻表・料金
| 仙台空港 | 15:40 |
|---|---|
| うみの杜水族館 | 16:05 |
| 三井アウトレットパーク仙台港 | 16:10 |
| 松島海岸 | 16:35 |
| 松島観光物産館 着 | 16:38 |
| 松島観光物産館 発 | 16:47 |
| 文化観光交流館前 | 16:50 |
| 奥松島(震災復興伝承館) | 17:10 |
| 奥松島(大高森) | 17:20 |
| 奥松島(大高森) | 18:40 |
|---|---|
| 奥松島(震災復興伝承館) | 18:50 |
| 文化観光交流館前 | 19:10 |
| 松島観光物産館 | 19:13 |
| 松島海岸 | 19:16 |
- 仙台空港 ~ 奥松島
- おとな 1,200円、こども 600円
- 松島 ~ 奥松島
- おとな 500円、こども 250円
パレス松洲から大高森まで
今年(2017年)は梅雨明けが遅く、取材を実施した7月末の時点ではまだ梅雨明け宣言は出されていませんでした。
写真は取材日のパレス松洲2階より撮影した松島。ご宿泊のお客さまがチェックイン時、フロントから最初にごらんになる風景です。曇り空を通した柔らかい光が降り注いでいます。
これはこれですてきな眺めだと思いますが、ベストコンディションとはいえないかも知れません。
この「大高森夕焼け号」、パレス松洲から最寄りの停留所は「文化観光交流館前」になります。徒歩でおおむね5分と少々。次の写真の停留所より乗車できます。定刻は16時50分。
少し早めに行って、バス停でしばらく待ちます。
以前同じ岩手県北バスの松島~平泉線に乗って平泉まで行った際には、松島海岸駅より乗車しました。その時と違って駐車場には停車せず、このまま停留所から乗せてもらうかたちとなります。
しばらくすると、松島大橋側よりバスが向かってくるのが見えました。
バスに乗車します。すぐに出発したので社内の写真は撮影できませんでしたが、きれいで快適なバスです。
奥松島パークラインをたどって、バスは進んでいきます。手樽近辺では山道になり、富山あたりからはまた海沿いを走ります。
車窓からはときおり、写真のように松島の眺めが顔をのぞかせます。
「文化観光交流館前」の次の停留所は、「震災復興伝承館前」。
こちらには、JR仙石線の野蒜駅がありました。2011年3月11日の東日本大震災によって大きな被害を受けた野蒜駅は、自衛隊・米軍共同の「ソウル・トレイン作戦」にて復旧されましたが、その後仙石線のルート変更により、震災遺構として保存されることとなりました。
現在は内陸側に500メートルほど離れた場所で、新しい野蒜駅が稼働しています。
その野蒜駅の旧駅舎に開館したのが、震災復興伝承館です。1階にはコンビニエンスストアが入っています。
震災復興伝承館には被災前・被災後の写真が大型パネルで展示されており、また震災時の記録映像を大型スクリーンでごらんになれます。当時この地域が受けた甚大な被害をお知りになることができる施設となっています。
写真は車窓から撮影したものです。
この地域は震災前は美しい松林と砂浜が広がり、海水浴場もありました。2017年現在、まだ海水浴場は営業を再開していません。
震災復興伝承館前の停留所を出発して、バスは大高森のある松島湾最大の島、宮戸島に向かいます。
海辺に近づくと、車窓からはまたこんな眺めが見えてきました。
終着の停留所は、奥松島縄文村歴史資料館の駐車場になります。
松島湾は約70か所もの縄文時代の貝塚が存在する密集地域ですが、ここ宮戸島にある里浜貝塚は日本最大級の規模を持ち、国の史跡にも指定されています。里浜貝塚を囲む一帯は「さとはま縄文の里史跡公園」となっており、そこに隣接するのがこの施設です。
到着は17時20分。資料館の開館時間は9:00 ~ 16:30ですので、残念ながら閉館後です。
乗車時に撮影できなかったので、ここでこれまで乗せてきてくれたバスの写真を撮らせていただきました。
ご快諾いただいたので、運転担当の山田さんとガイド担当の小林さんもいっしょに入ってもらいます。
さて、いま通ってきた奥松島パークラインのほうに目を転じると、山肌に長い階段が設置されているのが見えます。こちらが大高森の登り口になります。
標高106メートルと決して高くはないですが、大高森はれっきとした山ですので、こちらは登山口です。
階段を登り切ったあたりから、里浜漁港方面を眺めると、写真のような感じでした。
鏡のような海面の上の松の緑の色合いと漁船の風情のなかで、赤い鳥居があざやかに映えています。
この階段もそれなりにきついのですが、ここから先は山道になります。15分ほどの登りですのでそれほどつらくはないですが、靴だけは履きなれた、歩きやすいものを履いておいでになることを強くお勧めします。
展望台には案内板が据え付けられていて、大高森からの眺望についての解説と、松島四大観それぞれの説明が記載されています。
展望台の案内板はだいぶいたんでいる、というお話を聞いていたのですが、実際に設置されていたのはとてもきれいな案内板でした。それもそのはず、2017年7月に新しく設置されたばかりのようです。
そして案内板越しに、眺望が広がります。
展望台からの眺めです。
手前左側にさきほどの里浜漁港が見え、そこから島々が広がっています。
島々の向こうに見える陸地は左側が塩竃市・利府町、右側が松島町になります。
この日はこのあたりから天候がちょっとあやしくなってきて、視界がすこしかすみ始めています。
天気がいいときには、こちらからは蔵王連峰まで望むことができるとのことです。
展望台と反対方向、嵯峨渓方面を望みます。
ここ大高森は松島四大観のなかで唯一、360度の眺望が楽しめる場所です。ただ残念ながら小雨が降りだしたのか、ずいぶんとぼやけた眺めになってしまいました。
帰路のバスは18時40分発になります。昇り降りの時間を計算しても山頂には40分前後の滞在が可能ですので、十分景色をご堪能いただく時間はあるかと思います。
再度バスに乗車して、帰路につきます。出発点と同じ文化観光交流館前のバス停への到着は、19時10分。到着時には雨になっていました。
パレス松洲をご利用のお客さまでこちらのバスをご利用になる方は、チェックインしてお荷物を置いていただいたあと、出発時にお戻りが19時過ぎになることをお伝えください。通常ご夕食は18時より準備させていただきますが、ご予定に合わせてご用意させていただきます。
なお、松島町から松島湾を見るときには、おおむね東から南東方面を望むこととなります。このため(パレス松洲を含め)朝日を楽しむことはできますが、松島湾に沈む夕日を見るのは地理的にちょっと難しいこととなります。
360度の眺望を誇る大高森は、松島湾の夕日を望める数少ないポイントです。取材日の東松島市の日没は18時50分ごろで、この日はこのバスの名前の由来にもなっている夕日を見ることはできませんでしたが、8月の半ば過ぎにはチャンスもあることかと思います。
交通の関係もありこれまで訪問の敷居が高かった大高森ですが、このバスを利用して訪れてみてはいかがでしょうか。
なかなか行きづらかった大高森だけど、このバスなら行けるね!















