松島で観光、といえばまず五大堂や瑞巌寺・円通院、福浦島などを連想する方が多いかと思います。仙石線の松島海岸駅にほど近く、遊覧船の発着する観光桟橋もあるこのエリア、松島中央広場近辺からスタートするのが、松島観光のひとつの定番といえるでしょう。
このエリアから北に向かい、高城橋を渡ったところに、パレス松洲はあります。そして、松島中央広場から高城橋にかけても、みちのく伊達政宗歴史館や松島さかな市場をはじめとして、観光客の方々に人気の施設がいくつもあります。昨年(2016年)の9月にオープンしたザ・ミュージアムMATSUSHIMAもそのひとつです。今回は、こちらのミュージアムにおじゃましました。
パレス松洲からザ・ミュージアムMATSUSHIMAまでは歩いて10分弱。すぐだな、と思っていたらあいにくの雨でした。
写真は出発前にパレス松洲から撮影した高城川です。川面が雨粒に打たれています。
河口の向こうにちょっとだけ見える島影が幻想的、ということにしておいてくださるとうれしいです。
こちらがザ・ミュージアムMATSUSHIMAの外観になります。
雨の中の写真ではあんまりなので、こちらには取材日とは別の、晴天の日に撮影したものを掲載しました。
パレス松洲では、1枚で4名さままでご利用いただけるザ・ミュージアムMATSUSHIMAの入館割引券を準備しております。スタッフにお尋ねあわせください。
コレクション
ザ・ミュージアムMATSUSHIMAでは、3つのコレクションを中心に展示が行われています。
北原トイコレクション
北原トイコレクションでは、「開運! なんでも鑑定団」で鑑定士として出演しているブリキのおもちゃコレクター、北原照久さんの収集物が展示されています。こちらの展示は、復興支援としての提供とのこと。
ブリキやセルロイドのおもちゃ、ポスターなどが展示されていますが、そのなかでも目玉は、「モーションディスプレイ」です。
モーションディスプレイは1940年代~1950年代のアメリカでおもに宝石店などのショーウィンドウに飾られた「動くディスプレイ」です。コレクションルームをぐるりと取り囲むように展示されています。
モーションディスプレイを別の角度からもう1枚。
オルゴールコレクション
このザ・ミュージアムMATSUSHIMAの前身は、1992年10月に開館した「松島オルゴール博物館」です。
ベルギー王立博物館より譲り受けたオルゴールを保存・展示することを目的として開館したこの博物館はその後「ベルギーオルゲールミュージアム」にリニューアルし、愛されながら営業を続けてきましたが、2011年3月の東日本大震災による被害が大きく、いったんは閉館となりました。
このミュージアムにオルゴール以外の展示物をプラスして新しくスタートしたのがこちら、ザ・ミュージアムMATSUSHIMAになります。
「オルゴール」という言葉から連想するものとはだいぶ違う大きくて壮麗な楽器は、多くはかつて王侯貴族の館に置かれたもの。こちらのお部屋にあるものについては、実際に演奏を聴くこともできます。どんな音楽を奏でるかは、実際に訪問してご確認ください。
(ベルギーでは、自動楽器はわりとなんでも「オルゴール」と呼ぶようです)
こちらのオルゴールはすべて、被害を受けた震災前のコレクションを修復したものです。なかには、まだ修復中のものも展示されていました。
次のコレクションルームへ続く小部屋には、自動ピアノや蓄音機が展示されています。
瀬川モードコレクション
3つ目のコレクションは、このザ・ミュージアムMATSUSHIMAの館長・瀬川由美さんによる「モードコレクション」です。19世紀の宮廷衣装から、1960年代までのパリ・オートクチュール時代までのさまざまなモードが紹介されています。
(じつはこのコレクション、撮影禁止です。特別に許可をいただいて、少しだけ写真を撮らせていただきました)
ミュージアムカフェ
ミュージアムカフェで、鈴木敦子支配人とカフェをご担当の佐々木昌浩さんにお話をお伺いしました。写真は鈴木支配人です。
こちらのカフェはミュージアムの入館者以外でも利用できますが、ミュージアムと併せて利用の場合はカフェのメニューが10% Offになるとのこと。お飲みものやスイーツ・ジェラートのほかに、ランチタイムにはパスタやカレーなどのメニューもあります。
ちょっとレトロでウッディ、でもカジュアルな店内。中央広場エリアといくつかのホテル(パレス松洲含む)の間にあるので、ふらりと立ち寄られる方も多いとか。
こちらのスイーツは手作り。
ジェラートは仙台の人気ジェラートショップ・GELATI BRIOさんのもので、シーズン限定のものも提供されるとのことでした。
ずんだのシフォンケーキセット(880円)。クリームとずんだが添えられたケーキは甘さが控えめで、とてもさっぱりしていました。
セットのコーヒーは仙台のEXPEさんの「薪火(まきび)コーヒー」。まろやかであっさりした、ちょっとなつかしい風味です。
スイーツはシーズンごとに入れ替わるそうですが、夏ごろまでは「ずんだ推し」とのお話でした。
松島というとまず連想されるのは、古来名高い日本三景の絶景かと思います。海の幸の味覚や名刹のたたずまいを連想される方も多くいらっしゃるでしょう。
でも、それらをご覧いただく合間にお立ち寄りいただける多彩なお店のそれぞれの個性も、また観光の楽しみとしていただけるのではないか、と考えたりもしています。
ご連絡先
パレス松洲から歩いてもすぐだよ!