2011年3月の東日本大震災で大きな被害を受けたベルギーオルゲールミュージアムが、ザ・ミュージアムMATSUSHIMAとしてリニューアルオープンしたのが、2016年9月でした。
パレス松洲のサイトでは、営業開始から半年ほど過ぎた2017年5月に紹介させていただきました。
日本各地の観光施設の例にもれず、感染症拡大にともなう首都圏などでの緊急事態宣言発出などにより、こちらは2021年の初頭より一時閉館していました。
2月13日の福島県沖地震の被害もあって、営業再開となったのは3月13日。
前回訪問時からは展示内容も変更となっていますので、再オープンにあわせて、あらためてお伺いしてきました。
2階のオルゴールホールにつながる「オルゴールの小径」の両脇には、プレイヤー・ピアノをはじめとした、多様なしくみの自動演奏楽器が並んでいます。元祖エジソンのものを含む蓄音機も、いくつか展示されています。
これらの多くは東日本大震災で破損しましたが、現在も修繕が続けられています。
修理が終わった楽器は、試奏もしてもらえますよ。ホールにももちろん、実際に鳴る楽器があります。
ホールに入って右手に幅9メートル・高さ7メートルの威容を示しているのが、いまも存続するベルギーのベルベック社によって1920年ごろに製造されたコンサートオルガンです。主な音源として、600本を超えるパイプを備えます。
自動演奏オルガンは、楽譜代わりのパンチカードから曲を読み込みます。最近のヒット曲についてもパンチカードが用意されている場合がありますので、スタッフに尋ねてみてください。
ひとまわりちいさなフェアグラウンドオルガンは1920年ごろの、フランスのリモネール社のもの(このメーカーは1936年に閉業したようです)。
遊園地や催しもの会場で、メリーゴーランドの伴奏を担当したりしていました。
オルゴールホールにはもっとちいさい、ひとりで移動させられるストリート・オルガンなんかも置かれています。修復が完了しているものについては、実際に演奏を聴くことができます。
ここに展示されているオルゴールのなかで、いちばん古いのがこちら。
1890年ごろにドイツのコメット社が製造したディスクオルゴールです。いまの身近なオルゴールと同様、金属のピンをはじくしくみで音を鳴らします。
じつは同じ機種を、東京都三鷹市のミタカ・オルゴール館が所有しているとのこと。
楽譜の役割を担うディスクが共有できるので、ときおり交換したりしているそうです。
その他の展示
企画展示室
以前はモードコレクションが展示されていたこちらのお部屋は、さまざまな企画展の会場となりました。
展示の内容は年に数回入れ替わるとのことで、訪問時はカシニョールの展覧会が催されていました。まだしばらくはこの展示が見られるようですよ。
ミュージアムショップ
1階のミュージアムショップでは、東北最大の売り場面積にたくさんのオルゴールが並んでいます。
豊富なバリエーションと幅広い価格帯で、訪問の記念やおみやげに最適なものが選べます。
お子さまに喜ばれるのが、ぬいぐるみオルゴール。自分で組み立てるDIYオルゴールも、男の子には人気とのことです。
お若い方に好まれる、誕生月別のオルゴールもありました。
ミュージアムショップの片隅では、ある世代の方々には懐かしく感じられるかもしれない、ブリキのおもちゃが販売されています。
じつはこれらのティントイ、生産していたメーカーがすでに倒産してしまっています。つまり、こちらに並んでいるものはすべてデッドストック、ということになります。
新品を手にできるチャンスは、残り少ないかも。お急ぎになったほうがいいかもしれません。
貴重なアンティークを数多く展示していますが、古きをたずねる、というだけではない楽しみ方ができるミュージアムです。
今回は取材しませんでしたが、ゆっくりと過ごせるカフェも併設されています。
観光の中心エリアからは歩いて5分少々。パレス松洲からは徒歩10分弱です。
駐車場も完備されていますので、ぜひご訪問を。
あんな曲やこんな曲もきけちゃうよ。
スタッフさんにたずねてみて!