真壁豆富店

健康食品としての豆腐の人気はすっかり定着し、最近はさまざまな特長を持った豆腐が出回るようになりました。
大手のメーカーも豊富なラインナップを販売していますし、昔ながらの街のお豆腐屋さんでも、こだわりの商品を提供するお店が増えています。

今回お伺いしたのは、松島町内でただひとつのお豆腐屋さんです。特色ある豆腐づくりを行っています。

電車で松島へお越しの際には、東北本線と仙石線・仙石東北ラインがご利用になれます。松島の中心部へのアクセスは仙石線の松島海岸駅が便利ですが、仙台方面からは1時間に1～2本しかありません。

JRの仙石線・仙石東北ラインで松島へお越しの場合に、パレス松洲の最寄り駅になるのが、高城町駅です（駅からは無料送迎いたしますので、お電話でお申し付けください。お荷物を置いていただいてから、観光地までお送りしますよ）。

今回お伺いしたお店は、高城町駅から歩いて5分程度の場所にあります。
駅前から西に延びる県道を歩いていくと、高城の商店街につきあたります。以前こちらでも紹介した、だがしや こどもきちや勝新堂があるエリアです。

つきあたって右側の角にあるのが、真壁豆富店さんです。月が描かれたシックな店頭幕とのぼり、風情のあるレトロな看板で、すぐに見つけていただけるかと思います。

日光による商品の変質を防ぐために遮光カーテンがかけられていますが、店頭には「営業中」の表示が掲げられています。すっきりと清潔なしつらえの店内からは、奥の工場がのぞけます。

真壁豆富店のざる豆腐「月松島」は、2019年の松島プレミアムに選ばれました。
お店の四代目・真壁充さんのお話によれば、高品質の豆腐づくりは、原料の大豆に指定した生産者のものを使うこだわりからスタートするようです。

店の一角には、松島ブランドの認定証書が掲示されています。左隣にディスプレイされているのは、豆腐の原料となる大豆です。

真壁豆富店ではさまざまな種類の大豆から、それぞれの個性を生かした豆腐をつくっていますが、主力は宮城県が誇る高級品種「ミヤギシロメ」。
豆腐をはじめとする加工品の原料として、全国的にも評価の高い大豆です。こちらでは松島町北部、竹谷地区で生産されたものを用いています。

代々この場所で商売をされていましたが、豆腐屋を始めたのは真壁さんのひいおじいさんの代より。
詳しい年代はわからないそうですが、昭和の初め頃からとのことですので、やはり老舗ですね。

普通のお豆腐も製造していますが主にスーパー等に卸しているそうで、店頭では特色のある商品のみ販売しています。
取材日はショーケースの真ん中に「月松島」、ほかに湯葉やおぼろ豆腐、油揚げが並んでいました。

商品

こちらがミヤギシロメの「月松島」（400円）。
ざるの下には、夜空をイメージした黒い容器が、豆腐から出た水分を受けるために敷かれています。

最初はそのままで、という四代目の言葉に従って、なにもつけずにいただいてみます。どっしりした食べごたえですが舌触りはなめらかで、木綿豆腐のような硬さはありません。口の中に自然な大豆の甘みと、凝縮されたリッチな風味が広がります。
調味料を使わなくても完食できるおいしさですが、岩塩を添えるのが四代目のおすすめだそうです。

こちらは湯葉（280円）。
「月松島」とセットにして、この湯葉を買っていかれる方が多いそうです。ちなみに真壁豆富店に来店される方の半数以上が、松島町外からお越しのお客さまとのこと。

生湯葉なので、お刺身のように味わっていただければ、と四代目。醤油をちょっとだけつけて、薬味はわさびや生姜が合う、とのお話でした。

レジ脇には、ホットケースが置かれています。
こちらで販売されているのが、おとうふドーナツ（80円）。

生地に豆腐を練りこんでつくったドーナツです。
ほんのりした甘さに、弾力のある独特の食感が新鮮です。気軽に手にしていただける、こちらのお店ならではのスナックです。

先に書きましたが、こちらのお店はJR高城町駅から歩いて5分程度の場所にあります。
電車で松島までお越しの方で、仙石線・仙石東北ラインをご利用の方は、お帰りの際に気軽に立ち寄っていただけます。

お車の方は、通りを挟んだ向かい側のお惣菜屋さん「創彩 まんなか屋」の前に駐車できます。
これからの季節、安心してお持ち帰りになれるよう、お店では保冷剤も用意されるとのことでした。