梅らぶは2023年11月に移転しました。再取材した記事は、こちらをご覧ください。
観光地としての松島の魅力の基盤にあるのは、やはり「和」の文化と美意識なのだろう、と思います。
開山からまもなく1,200年、平成の大修理も完了に近づき来年2018年には落慶行事もとりおこなわれる瑞巌寺をはじめとして、松島には日本の文化が積み重ねられ、年月に磨かれた美意識がエリア全体を覆っています。
「松島まち歩き」としていくつもお店や施設をご紹介してきました。それぞれ個性的な魅力を持っていますが、その背景にはそんな美意識が共通しているのかもしれない、なんて思ったりします。
今回お伺いしたのは、そんな松島で新しい「和」の楽しみを提供するお店です。
多くの方が観光の起点とされる松島中央広場。松島海岸レストハウスがあり、遊覧船の発着する観光桟橋が松島湾に向けて伸びています。
写真は取材日の観光桟橋。連休明けだったにもかかわらず、遊覧船に乗り込む観光客のみなさまの姿が見られます。晴天の下、楽しいクルーズを満喫していただくことができそうです。
観光桟橋の反対側に目を向けると、国道45号線をはさんで多くのおみやげ屋さんや食事処が立ち並んでいます。
以前に取材に伺って、記事を掲載させていただいたSHOBIAN CAFEさんや松華堂菓子店さんがあるのもこのエリア。
そのなかでも、松島海岸レストハウスのちょうど向かい側あたりにある建物が「松島玉手箱館」です。今回訪問する梅らぶは、こちらの4階になります。
松島玉手箱館の1階には人気の牡蠣カレーパン屋さんが、2階・3階にはそれぞれお食事を提供するお店が入っています。
建物の前に立ち並ぶ看板のなかには、梅らぶの看板もあります。かわいらしい着物のディスプレイが、いっしょに立っています。
梅らぶは、松島を訪れたみなさまに着物のレンタルを提供しているお店です。
玉手箱館に入って、向かって右側のエレベーターで4階まで上ると、梅らぶの入口です。
こちらで開店したのは2017年の4月。それまではお店は仙台にありました。
もともとは和テイストのカフェだったものを、気軽に着物を着る機会をつくろうと思ってレンタル着物を始めた、と代表の中野由美さん。
インテリアも和の趣。たんすの上に4つ並んでいるのは、仙台の伝統工芸品「松川だるま」です。
着物のレンタルは5,000円(浴衣は4,000円)。好きな着物を選んで、着付けをしてもらえます。お電話やウェブサイト経由で予約をしていただくのが望ましいですが、当日でも対応が可能な場合もあるとのこと(水曜日が定休です)。
外国人のお客さまも多い、とのお話でした。
お伺いしたのは9月の中旬。浴衣の季節は過ぎて、お店のまんなかには単衣の着物が並んでいました。
秋が深まるにつれ、レンタルのメインは単衣から袷に切り替わるとか。和装ならではの季節感です。
着物のレンタルのほかにもブライダルや、(ご両親を含めた)七五三の衣装のご相談にも応じていらっしゃるそうです。
中野さんは、オーストラリアでツアーガイドをしていた頃に改めて日本文化のよさに気づいて、和文化にかかわるお仕事を始められたとのことです。
外国人への対応も、なるほど万全、というわけですね。
こちらは帯が収納されている棚です。その脇では、和雑貨の販売も行われています。
松島湾に面したビルの4階というロケーションは、抜群の眺望です。
こちらの写真で窓越しに見えているのは、福浦橋と福浦島。
すでに松島を訪れたことがあっても、着物で過ごすとまた違った気分を味わえますよ、と中野さん。「SNS映えもしますよ」とのことでした。
確かに、着物を着ていっしょに写りたくなるような情景には、松島では事欠きません。
お店のInstagramには、きものを来たお客さんの写真がいっぱい!
きもので行ってみたくなるような場所が、松島にはたくさんあるよ。