浅野商店(おこわ)

歴史のある土地では、行政上の地名と別に、地域ごとの古くからの呼び名があることは珍しくありません。
例えば松島では、仙石線松島海岸駅のすこし北から海岸通り一帯、Ile Cafe松島レトロ館があるあたりまでが「松島町内」という住所になっていますが、そのなかでも旬海洗心庵があり、円通院瑞巌寺につながる近隣は「寺町」と呼ばれています。

今回お伺いしたのは水主かこまちと呼ばれるエリアにある、おいしいおこわを購入できるお店。水主町は瑞巌寺の東側に広がっている一帯の呼び名です。


海岸通りから水主町へ

水主かこ」とは船乗りのこと。
瑞巌寺再建にあたって、紀州からの用材運搬に従事した水主衆を伊達政宗公が召し抱え、この区域に住まわせたと言われています。

五大堂から海岸通りの横断歩道を渡って、松華堂菓子店を左に見ながら小路に入ると、水主町です。
街並みには往時を偲べる建物などは残っていませんが、洗心庵の向かい側に1棟、復元された当時の民家が建っています(松島町の指定文化財です)。

水主町に入ると、Sama Samaがすぐ右手にあります。そのまま進んでいくとアトリエ禅があり、蓮池のある三叉路を右に折れるとカフェ・アルバートぱんや あいざわにたどり着きます。
落ち着いた雰囲気の、散策が楽しい通りです。

Sama Samaを過ぎてアトリエ禅に行く途中にあるお米屋さんが、今回お伺いした浅野商店さんです。
おこわを販売している日(主に土日祝日)には、立て看板が出されています。

おこわ

浅野商店は、この場所で営業して100年ほどの歴史を持つ老舗です。
いまはお米屋さんですが、その昔は精米の請負や米問屋のようなお仕事を行っていたとか。

以前から地元の方々の依頼で、慶事の際のお赤飯などを提供することはあったそうなのですが、現在のようにさまざまな具材のおこわを調理して店頭で販売するようになったのは、現在の店主の浅野新吾さんにお店が代替わりしてから、とのことです。

県内で農業関連の仕事に就いていた浅野さんがお店を継いだのは、東日本大震災後。同世代の方々が松島の復興のために奔走している姿を見て、いっしょに松島を盛り上げるべく戻ってこられました。

お赤飯をはじめ、冬場の松島名産・牡蠣、舞茸、しそとじゃこなどを炊き込んだおこわが並んでいます(お伺いしたのは午後だったので、品数はもうだいぶ少なくなってしまっていました)。
夏場には、これも松島名産のアナゴが登場します。

おこわ

牡蠣おこわ+お赤飯セット(450円)舞茸おこわ+お赤飯セット(350円)

牡蠣おこわ+お赤飯セット(450円)
舞茸おこわ+お赤飯セット(350円)

おこわは1パック150円~300円ほどとリーズナブル。写真は2色セットで、牡蠣おこわとお赤飯のセットが450円、舞茸おこわとお赤飯のセットが350円です。

こちらのおこわに使われているもち米は「みやこがねもち」。もち米の王様といわれるこがねもちのうち、高品質の宮城県産のお米に特に冠されるブランドです。地元の方々、観光客の方々、どちらも買っていかれるとのお話でした。

素材の味を損なわないよう、おこわそのものはあっさりと仕上げられていて、お米の甘みをそのまま感じることができます。具材はしっかりした味付けなので、ものたりなさはありません。

松島らしいおみやげを、みたいにお考えの向きは、お店でついたおもちはいかがでしょうか(上掲のおこわの写真に、いっしょに写っています)。
また宮城県産のブランド米を小分けにパッケージしたお米キューブなども、喜ばれるかと思います。

お米キューブ


華やかな海岸通りと比べると静かなエリアですが、瑞巌寺のお膝元としての歴史がかもし出す情緒を、水主町では感じることができます。立ち寄って、ちょっとひと息ついてほしい、と浅野さん。
ちなみに週末、杉原功商店で販売されているおにぎりも、こちらで調理しているものです。

杉原功商店

なお(こっそり訊いてみたのですが)こちらで買ったおこわを持ち込んで、げんぞうさんの軒先で海鮮といっしょにお食事、みたいなのも黙認してもらえるみたいですよ。

げんぞう

こちらのおこわは原則、土日祝のみの販売です。
販売されている日にはお店のFacebookページなどにアップされていますので、まずチェックを。

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パレス松洲からの地図

おいしいけど、食べ過ぎないでね。
(おなかにたまるよ!)

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